赤色LEDによる発毛の新常識とは | インフィニティヘアクリニック
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赤色LEDによる発毛の新常識とは

赤色LEDによる発毛の新常識とは

インフィニティヘアクリニック静岡院

2025年6月23日 15:21

こんにちは!
インフィニティヘアクリニック静岡院です。

「薄毛治療は薬だけ」だと思っていませんか?
実はいま、“光”による治療が静かな注目を集めています。
副作用が少なく、自宅でも毎日コツコツ続けられる…薬や再生医療とは全く異なるアプローチの発毛法が“赤色LED”です。
実は光治療というのは以前より美容の分野では導入されていたものです。
そして薄毛治療のガイドラインでも推奨度B(根拠あり、行うよう勧められる)となっている治療です。
今回は赤色LEDによる薄毛治療について解説します!

LEDによる発毛の基本知識

LEDによる発毛の基本知識

LEDとは?その仕組みと種類

Light Emitting Diodeの略で、日本語では「発光ダイオード」と呼ばれる半導体の一種です。
P型半導体とN型半導体が接合しています。(PN接合)
P型半導体:プラスの性質を持つ「ホール」が多い半導体。
N型半導体:マイナスの性質を持つ「電子」が多い半導体。
ここに電位差が生じ、P型半導体は順方向にホールが移動し、同時にN型半導体では電子が逆方向に流れます。その結果ホールと電子が衝突しこの時に放出されるエネルギーを光として得たものがLEDの光となります。

一般の家庭で使用されているLEDと医療用LEDは何が異なるのでしょう?

<波長のちがい>

  • 医療用
    波長を調整して特定の医療効果を持つ波長
    (630nm,830nmなど)
  • 家庭用
    照明に適した白色や黄色の複合波長

<出力>

  • 医療用
    組織に届くように一定のエネルギー密度で設計
  • 家庭用
    広範囲照明用で分散した光量

<照射範囲・角度>

  • 医療用
    頭皮・顔面・患部などに均等・深部まで届く設計
  • 家庭用
    照明目的なので焦点性がなく、皮膚深部に届かない

医療用LEDの種類

医療用LEDの種類

現在医療に用いられるLEDはその色によって効果を使い分け使用されています。なぜLEDが発する光の色を変える事が出来るのかというと、LEDを構成する半導体材料を変えているからです。
各半導体に使用する化合物(Ga・N・In・Al・Pなど)の配合比率を変える事によってさまざまな色の発光を可能としています。
波長の短い光(青色など)は、物質の表面で吸収されやすく、奥深くまで浸透しにくい傾向があります。
逆に波長の長い光(赤色など)は、物質の表面を通り抜けやすく、奥深くまで浸透しやすいという傾向があります。
以下に色別の効能を列挙します。

<赤色>

約630~660nm

  • 育毛
  • コラーゲン生成
  • 炎症抑制効果
  • シワ・たるみ改善、ハリUP
  • 血行促進

<黄色>

約550~590nm

  • 血行促進
  • 色素沈着抑制くすみ改善
  • リンパの流れ改善
  • 美白サポート

<緑色>

約490~550nm

  • メラニン抑制
  • 色調補正色素沈着の改善
  • シミ・そばかす対策
  • 肌の透明感UP
    (近年では緑にも育毛効果の可能性を示す論文あり)

<青色>

約430~490nm

  • 殺菌・抗炎症アクネ菌の殺菌
  • ニキビの改善
  • 皮脂抑制

赤色LEDの育毛効果

赤色LEDの育毛効果

薄毛治療で発毛効果があると言われているのは赤色のLEDとなります。
また青色LEDも皮脂の抑制や殺菌効果があるため、脂漏性脱毛症の方に赤色LEDと併用して使用する事が効果的と言われています。

赤色LEDのメカニズム

赤色LEDが発毛に有効な事は分かっていますが、現段階でその理由が完全に解明されているわけではありません。
赤色LEDが届くのは2~3㎜程度と論文上で記載されています。
一方発毛に欠かせない細胞の毛母細胞が存在しているのはだいたい3.5㎜程度の深さと言われています。
これでは光は直接毛母細胞に届かないではないかとお思いかもしれません。
確かに毛母細胞には光は届きませんが、その上方に位置しているバルジ領域に光が届き、バルジ領域が刺激されます。
このバルジ領域というものも発毛を語るには欠かせない部位となっています。バルジ領域は毛髪を作る毛乳頭に向けて毛を生やす指令を出し、毛母細胞を分裂させて発毛させる作用があります。
バルジ領域が刺激される事で、結果的に毛母細胞が活性化されます。
そしてIGF-1・FGF-7・HGF・VEGFなどの成長因子が産生され、毛周期の成長期を維持するために働きます。
成長期が維持される結果、太く健康な髪の毛が維持できるという訳です。
また赤色LEDは微小血管を増加させるという論文報告があり、バルジ自体への血流も増加します。
さらに赤色LEDはミトコンドリア内のシトクロムCオキシダーゼを刺激し、細胞のATP産生を促します。ATPは細胞のエネルギー元となります。
ですのでATP産生が促される事で毛母細胞の増殖環境が整い、結果的に発毛を促進します。

臨床研究による効果の証明

LED治療による効果は論文上でも多く発表をさせています。
一部の要約を記載致します。

<マウス背部およびヒト毛乳頭細胞を用いた実験>

マウスの背部を剃毛、次の日に赤色LED1.0J/㎠を照射し、以降週に3回の照射を続けた。ヒト毛乳頭細胞培養系では1.5J/㎠をマウスと同様の頻度で照射。
その結果有意差をもってコントロール群よりLED照射群は毛成長促進効果が観察された。

Narrow-band red LED light promotes mouse hair growth through paracrine growth factors from dermal papilla

<赤色および青色LED照射はMRSA感染後のラットの皮膚生存率を上げる>

皮弁手術(皮膚を移動させることで傷跡を隠したり、悪性腫瘍などで欠損した組織を再建する手術)後にMRSAという最近を感染させたラットに赤色・および青色LEDを使用した実験になります。
その結果、LED照射群では皮弁の生存率と微小血管密度が優位に増加した。
また、VEGF、HIF1-α、PI3K、およびAKTなどの重要なタンパク質レベルが上昇した。つまり赤色および青色LEDは血管新生の促進・酸化ストレスの低減・細菌感染の低減を起こし、皮弁の生存領域を増加させた。

Red and blue LED light increases the survival rate of random skin flaps in rats after MRSA infection

赤色LEDの使用方法と注意点

赤色LEDに関しては、現在の所大きな副作用の報告はされていません。
ですので安全にそして比較的手軽に発毛を促すデバイスとなっています。

ただし、単体で使用するよりも薬物療法や再生医療と組み合わせる事でより双方の治療効果を引き上げる作用があると言えます。

また使用時間に関してはデバイスによって異なるため、デバイスに記載されている時間を守って使用してください。

LED発毛デバイスの選び方

現在ではクリニックのみならず、家庭で使用できるLEDデバイスも増えています。家庭で使用することで、クリニックに通う手間が省け、隙間時間でLEDを使用することが出来るため継続性においてメリットがあります。

一部の方にはその副作用が検討が十分にされていないなどの理由で使用不可となっています。以下に禁忌事項をお伝えいたします。

<妊娠中・授乳中の方>

妊娠中・授乳中の女性に対する影響やリスクは不明なため、使用を推奨していません。

<皮膚疾患に関して>

自己免疫疾患(エリテマトーデスなど)、光過敏性湿疹、白皮症・光過敏症に罹患している方。これらの疾患を持つ場合、重度の皮膚反応を引き起こす可能性があります。

<以下の疾患をお持ちの方>

てんかんや光によって引き起こされる発作
ポルフィリン症などの代謝障害
光感受性障害
活動性の癌
眼疾患(白内障、緑内障など)
最近のレーザー眼科手術

<光による頭痛や片頭痛のある方>
<目に遺伝性疾患をお持ちの方>

デバイスによって禁忌事項が記載されているものと、記載されていないものや禁忌事項が異なる場合がありますので、ご心配な場合は医療機関までお問合せ下さい。

市場に出回るLEDデバイスの種類

LEDデバイスにはその形状にいくつかの特徴があります。

【キャップ型(帽子型)】

  • 特徴:帽子のように被るだけで簡単に照射可能
  • メリット:軽量・装着しやすく、外見が目立ちにくい
  • デメリット:出力が分散しやすく、広範囲照射にはLED数が必要

【ヘルメット型】

  • 特徴:頭全体をカバーするドーム状の照射機器
  • メリット:密着度が高く、頭皮全体に安定した照射が可能
  • デメリット:サイズがやや大きく、保管場所を取る

【コーム・ハンディ型】

  • 特徴:手で持って頭皮に当てながら使用するタイプ
  • メリット:安価で始めやすく、狙った部位に使える
  • デメリット:手間がかかる・照射範囲が狭い・習慣化しにくい

選ぶ際のポイントと推奨製品

LED発毛デバイスを選ぶ際には以下の事を確認して、ご自分にあったものをチョイスしてみて下さい。

波長の長さ
発毛を促すLEDには長さが必要なため、赤色LEDが推奨されます。
赤色光:630〜660nm
近赤外線:800〜850nm

デバイスによっては赤色のみならず、近赤外線も搭載しているタイプが存在します。この近赤外線は4~6㎜程度の深さまで届くと言われてます。
ですので、赤色LEDと共に近赤外線が搭載されているデバイスではバルジ領域と共に、直接毛母細胞を刺激することが可能となります。
なぜ近赤外線のみの商品がないのか疑問に思い少し調べてみました。
調べた所、発毛治療に関するエビデンスが赤色LEDで証明されており、近赤外線でのエビデンスが少ない事、ミトコンドリアのシトクロムCオキシダーゼは赤色~近赤外線に反応するが、630〜660nmの方が応答が明確という研究がある事(近赤外線は無色)、近赤外線のみでは発熱量が多く冷却が必要な事などから、現段階では近赤外線のみではなく赤色LEDと組み合わせた商品が主流となっています。

形状

キャップ型やヘルメット型は被るだけでLED治療を始められます。
ヘルメット型は重さが出る一方で、密着性が良く効率よく照射が出来ます。
キャップ型はヘルメット型と比べ出力が分散しますが、軽量化されているため普段使いには最適と言えます。

髪の毛の状態

残念ながら、LED治療は毛周期を終えてしまった毛穴に対しては効果が薄いと思われます。なぜなら、LEDが作用するのはバルジ領域や毛母細胞と言った毛髪が存在している部位だからです。
ご自分の頭皮の状態をマイクロスコープで確認してから治療を開始してください。

当院ではアデランス社のn-LED FLEXという製品の取り扱いをしています。
n-LED FLEXは3種類のLED波長を搭載し、目的に合わせ使い分けができます。

  • 赤色LED(630nm):血流促進・バルジ領域の活性化
  • 青色LED(415nm):皮脂バランスの調整・抗菌効果
  • 近赤外線LED(850nm):毛根の深部(毛母細胞・毛乳頭)へ到達

青色LEDに発毛効果はありませんが、過剰な皮脂を抑制することで頭皮環境を改善する働きがあります。そのため赤色LEDと併用して使用できるこちらの製品は大きなメリットがあると言えます。

赤色LED
赤色LED
青色LED
青色LED

またとても柔らかく、軽いLEDパネルを採用しているため、帽子にしっかりとフィットします。ただしニット帽のような柔らかすぎる帽子ではずり落ちてしまう事があるかもしれませんので、キャップ型をお勧めしています。
こちらは100均で購入した帽子ですが、しっかりとフィットして、使い心地も良好です。

確かにクリニックで使用するLEDライトはライト数・出力数ともに家庭用のものと比べると強力なものとなりますが、こちらの製品は手軽であるが故に、毎日ご自宅で使用して頂く事が可能です。
LED治療は継続的に使用することで効果が高まるため、毎日の通院の手間が省ける点もこちらを採用したポイントです。

まとめ
赤色LED治療は“光”による発毛の新常識

赤色LEDによる発毛治療は、非侵襲的で副作用が少なく、継続性に優れた発毛法として注目を集めています。
これまでの「薬」や「注射」とは異なり、“光”という全く異なったアプローチで毛母細胞やバルジ領域に働きかけ、発毛を促します。
LED発毛デバイスは継続使用してこそ、その能力を発揮します。
当院では毎日無理なくご自宅で使用可能なキャップに搭載する形のLEDデバイスをご提供しております。
副作用もほぼないLED発毛デバイスですが、残念ながら無毛部にはあまり効果を示さないため、一度クリニックでマイクロスコープによる診断をお受け頂く事をお勧め致します。

インフィニティヘアクリニック静岡院は薄毛の正しい知識を知っていただきたい・現在のお悩みを教えて頂きたいとの思いから、カウンセリングを無料としております。
ご相談のみでもぜひいらしてください。

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参考文献

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