女性薄毛(FAGA)の病院、クリニック選び - インフィニティヘアクリニック
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女性薄毛(FAGA)の病院、クリニック選び

女性薄毛(FAGA)の病院、クリニック選び

インフィニティヘアクリニック静岡院

2025年5月23日 16:14

こんにちは!インフィニティヘアクリニック静岡院です。
当院は静岡の地で薄毛に特化したクリニックとして開院致しました。
女性医師も在籍しておりますので、女性の患者様も安心してご来院いただいております。

さて、少し前は薄毛=男性特有の疾患という認識が強かったと思いますが、女性を取り巻く現代社会はストレスがたくさん、また食生活も欧米化した事によって、加齢以外でも進行する女性の薄毛(FAGA)が増加傾向にあります。また薄毛に悩む方の若年化も見受けられると思います。
ある文献によれば生涯で約半数の女性がFAGAに悩むという結果も出ています。
本日は女性の薄毛(FAGA)の病院、クリニックを選ぶ上でポイントとなる点をいくつかご紹介したいと思います。

女性の薄毛(FAGA)の基礎知識

女性の薄毛(FAGA)の基礎知識

FAGAとは?女性特有の薄毛の特徴

FAGAとは近年多用されるようになった言葉で、女性男性型脱毛症(Female Androgenetic alopecia)の略語です。
1977年にLudwingによってその分類が提唱されました。
しかしその後の研究から、男性型脱毛症(AGA: Androgenetic alopecia)とは異なりアンドロゲン(男性ホルモン)の関与が明らかでない場合や、遺伝子多型解析などの結果から、AGAに認められる遺伝子座の多くが女性の薄毛とは関連しない事が報告され、その病態は複雑である事が明らかになりFAGAではなく、FPHL(Female Pattern Hair Loss)と呼ばれるようにもなりました。
ただ女性の薄毛=FAGAと記載される場面も多いため、今回はそのままFAGAと記載させて頂きます。
男性の薄毛は角額(M字)か頭頂部もしくはその両方から始まり、徐々に範囲が広がり繋がって進行していきますが、多くのFAGAは頭頂部が広範囲に薄毛となっていく特徴があります。

薄毛の進行段階とその見分け方

女性の薄毛の進行段階は、多くの場合下図のLudwing分類で分けられる事が多いです。
男性と同じように角額(M字)と頭頂部の薄毛から始まるHamilton分類、前頭部から脱毛が進行するOlsen分類もあり、様式の多様性が認められます。
Hamilton分類型の薄毛になる方は男性ホルモン(アンドロゲン)の関与が強いと言われています。薄毛の進行具合からも、FAGAの原因が推定できる場合があります。

ルードヴィッヒ分類(FAGA)

Ludwing分類
  • 最近抜け毛が増えた…
  • 髪の毛のハリやコシがなくなった…
  • なんだか分け目が目立つ気がする…

自分がFAGAかも?と思ったときは、以下のポイントをチェックしてみて下さい。

<抜け毛の量が増えた場合>
・本数

通常でも髪の毛は毎日40~70本は抜けるとされています。
100本以内であれば正常です。
また紫外線の多い4~8月のダメージが蓄積し、7月~11月くらいまでは抜け毛が多い時期とされています。

・毛根の形状

正常な毛周期で自然に抜けた抜け毛だと、毛根鞘(もうこんしょう)と呼ばれる薄い白い膜がついていて、丸い毛球です。
薄毛が進行している場合はくびれが無くなり丸い毛球では無くなります。
また休止期脱毛症では毛球が歪み先端に小さな突起(ヒゲ根)となる事もあります。

<髪の質の変化を見逃さない>

毛周期が早く回転してしまうと、毛髪が育たず、細く短い毛で抜けてしまうため正常な髪の毛と比べ細く弱弱しい毛髪となります。
ハリやコシが無くなりぺたっとしてきた、ねこっ毛になってきた等の変化を見逃さず早期に治療を開始することが重要です。
当院では髪のボリュームという三次元の変化を表面反射光の形状でも確認しています。
表面反射光とはフラッシュの光が最も髪の厚い部分に反射して帯状のU字型になるものです。しっかりと髪の毛が立ち上がっているときれいなU字になるのですが、髪のボリュームが減少すると形が崩れ光も不明瞭になります。

健康な髪の毛。フラッシュの光がU字に映る
健康な髪の毛。フラッシュの光がU字に映る
点線の所が一番髪の毛が立ち上がりフラッシュの光を浴びて白くなっている部分
拡大図
点線の所が一番髪の毛が立ち上がりフラッシュの光を浴びて白くなっている部分
髪の毛の立ち上がりが少なく、本来U字型になるフラッシュの光が不明瞭
薄毛進行例
髪の毛の立ち上がりが少なく、本来U字型になるフラッシュの光が不明瞭
健康な髪の毛と比べ、髪の毛の立ち上がりがすくないため、フラッシュを浴びて白くなる部分がしっかりと認められない
拡大図
健康な髪の毛と比べ、髪の毛の立ち上がりがすくないため、フラッシュを浴びて白くなる部分がしっかりと認められない

女性の薄毛治療(FAGA)クリニックの選び方

治療法の種類とその効果を理解する

治療法の種類とその効果を理解する

現在女性の薄毛(FAGA)に対して行われている治療法はクリニックによっても様々です。効果を理解し医師と相談することでご自分に必要な治療を選択することが重要でしょう。
現在FAGA治療で行われる治療法としては

  • 外用薬
  • 内服薬
  • サプリメント
  • LED
  • 再生医療
  • 植毛

などがあります

<外用薬>
🌿ミノキシジル

ミノキシジルの外用薬は薄毛ガイドラインでも推奨度Aとされる治療法です。
ミノキシジルは高血圧を治療する薬として開発されました。
副作用として多毛が指摘され、そこから薄毛治療に用いられるようになりました。1970年代後半に薄毛治療薬への研究が開始し1988年には、ミノキシジル2%外用薬がAGA治療薬としてFDAに承認。1990年には日本で一般医薬品として販売が開始されました。
ミノキシジルは末梢血管を拡張することで血圧を下げる作用があり、頭皮でも末梢血管が拡張することで血流が良くなり効率よく栄養を届けられます。同時に、ミノキシジルが毛周期を調節する様々な増殖因子を促進させ毛髪の成長を促すと言われています。
現在ガイドラインでは男性には5%、女性には1%が推奨されています。
通常は一日2回の使用となっていますが、論文では5%のミノキシジルを一日1回使用したほうが、副作用が少なかったという報告もあります。
頻度は高くないですが副作用として、以下のものが認められます。

  • 頭皮の発疹、発赤
  • かゆみ、かぶれ、ふけ
  • 頭痛、気が遠くなる、めまい
  • 胸の痛み、心拍が速くなる
  • 手足のむくみ

など

なおミノキシジル内服薬は議論されるところではありますが、内服薬の有用性に関して臨床試験は実施されていないため、現段階では推奨すべきでないとされています。
ミノキシジル内服薬は降圧剤として開発されましたが、日本においては降圧剤としても認可されていない点と、男性型脱毛症に対する治療薬として認可されている国はありません。またミノキシジルの副作用である頭皮以外の多毛の頻度も、外用薬と比べると高くなります。

<内服>
🌿スピロノラクトン

スピロノラクトンは高血圧を治療する利尿剤の一種として長く歴史のある薬で、現在も保険適応症として高血圧症・うっ血性心不全・肝性浮腫・腎性浮腫などの治療に広く使用されている薬です。
内服中の患者さんに、乳房腫脹・性欲減退・陰萎、多毛等の副作用が現れた事から抗男性ホルモン作用がある事がわかりました。
抗男性ホルモン作用がある事はFAGAの治療にとってはプラスの側面であり、現在FAGAの治療に用いられるようになったという歴史があります。
25㎎~50㎎/日の容量から始めて、最大200㎎程度までは増量が可能です。
ただ多くても100㎎/日程度で良好が結果が出ているという報告もあり、医師と相談しながら投与量を決めましょう。
また薬である以上、副作用も気にしなければいけません。
薄毛治療に用いられる容量は通常安全に用いられる容量ですが以下の副作用が認められる場合があります。

  • 電解質異常(高カリウム血症、低ナトリウム血症、代謝性アシドーシス等)
  • 低血圧
  • 乳房腫脹
  • 性欲減退
  • 月経不順

など

スピロノラクトンを内服する際は定期的な採血が必要となります。

<サプリメント>
🌿パントガール

パントガールはドイツのMerz Pharma社が開発し、その配合成分中のチアミン・パントテン酸カルシウム・薬用酵母・シスチンが論文で有効性があると評価されています。また論文で評価されている成分以外にも、毛髪の主成分(90%以上)でタンパク質の1種であるケラチンや葉酸の構成成分の一つでもあり、白髪予防や毛周期の正常化・結構促進・紫外線からの保護にも作用するパラアミノ安息香酸が配合されています。
配合成分はサプリメント的要素が強く、副作用もまれです。

<LED>

もともと皮膚科領域では高レベルレーザーでシミを焼いたり、細胞を破壊する治療に光が使われています。また低レベルレーザーも血行を促進させたり、生体を活性化する効果があるとされ広く使用されています。

実は薄毛治療のガイドラインでも推奨度B(行うように勧める)となっています。赤色LEDを照射した後、毛髪の成長に必要なHGF、Leptin、VEGF-Aといった増殖因子濃度の上昇が認められたという研究があります。LEDは色によって効果が変わりますので、光をうまく組み合わせて頭皮の状態を改善する製品も登場しています。

・赤色

薄毛治療に用いられるのは赤色LEDです。
赤色の光は波長が長く、皮下の深い部分にある毛乳頭(毛の成長に必要)に光が届くため赤色LEDが使用される事になりました。

・青色

青色LEDはにきび治療に用いられています。
皮脂の分泌を抑え、毛穴を引き締める効果があり、脂漏性脱毛症の方には赤色と一緒に用いると効果的とされています。

LEDでの発毛効果はガイドラン上でも認められる所ではありますが、単体使用というよりは、その他の治療と組み合わせる事でより治療効率を上げるといえます。

<再生医療>

そもそも再生医療とはなんなのでしょう?
再生医療とは、病気やけがで機能不全になった組織、臓器を再生させる医療であり、創薬のための再生医療技術の応用にも期待されている。

厚生労働省

現在薄毛治療で取り入れられている再生医療にもいくつか種類があります。
いずれの治療でも毛髪の毛周期を整える成長因子を始めとするサイトカインや場合によってはエクソソームを取り出し、直接患部に注入することで毛周期を正常の周期へと導き、薄毛を改善させる作用があると言われています。(サイトカインとは簡単にいうと細胞同士の情報を伝達する物質です。)
ただしまだ大規模臨床試験が行われるほどの症例数がないため、ガイドライン上では推奨度Cにとどまっています。

またメソセラピーという言葉を薄毛治療ではよく目にするかと思いますが、
これは注射や専用の機械を用いて、頭皮に有効成分を直接打ち込むという薬物投与方法の事を指す造語です。

以下は代表的な薄毛治療に用いられいる再生医療成分です。

・PRP

PRPとは多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma)の略称です。
ご自身の血液を採取し、その中の血小板という成分を取り出し濃縮したものです。血小板は止血のために働く細胞です。体に傷ができて出血すると、傷口に血小板が集まり血小板血栓を作り止血しようとします。さらに血小板は止血だけでなく、血管修復にも関与し、損傷部位の細胞増殖を促す成長因子をはじめとする各種サイトカインを放出します。
通常はその日に処置が終わります。
ご自身の血液を使用するため感染症のリスクがありません。

・ACRS

ACRSとは自己サイトカイン濃縮血清(Autologous Cytokine Rich Serum)の略称です。
ACRSは簡単に言えばPRPの進化版です。使用するのはご自分の血液であるため、行う処置はPRP療法と変わりません。血小板からサイトカインが自然に分泌される条件下でご自身の血液を一定時間置きます。特殊な条件下で遠心分離を行い、サイトカインと成長因子が濃縮された層を抽出し頭皮に注射します。
サイトカインが分泌されるのを待つ時間がありますので、当日処置は不可です。ご自身の血液を使用するため感染症のリスクがありません。

・幹細胞培養上清液(じょうせいえき)

幹細胞を培養増殖するために利用した溶液の上澄みのことです。
元々は幹細胞を取り出した後は廃棄されていたものなのですが、有効な成分が上清液にもにじみ出ているのではないかとの仮説の上研究・実験が行われ効果が証明されました。ご自身の組織から取り出さない限りは、通常他人の上清液を使用することとなります。

・HARG(ハーグ)

ヒト脂肪幹細胞培養上清液の成長因子をさらにろ過してエクソソームのみを抽出したものとなります。こちらもご自分の組織から取り出したものではありません。

・微細組織懸濁液(micronized tissue suspension)

ご自身の細胞を少量採取し、特殊な機械を用いて細胞を50μm前後に粉砕し組織の中に含まれる成長因子を始めとするサイトカインを注入するというものです。頭皮の組織を使用するため、毛根の毛乳頭・二次胚芽・バルジエリア由来幹細胞という発毛に直接かかわる組織が含まれるというのが大きな特徴となります。
ご自身の組織を使うため感染症のリスクがありません。

・微細組織懸濁液(micronized tissue suspension)

ご自身の細胞を少量採取し、特殊な機械を用いて細胞を50μm前後に粉砕し組織の中に含まれる成長因子を始めとするサイトカインを注入するというものです。頭皮の組織を使用するため、毛根の毛乳頭・二次胚芽・バルジエリア由来幹細胞という発毛に直接かかわる組織が含まれるというのが大きな特徴となります。
ご自身の組織を使うため感染症のリスクがありません。

<植毛>

植毛は薄毛が進行してしまった部分に文字通り、毛を植えていくという方法です。現在行われている植毛は自毛か人工毛の2通りがあります。
ガイドラインでは男性に対する自毛植毛は推奨度B(行うように勧められる)、女性に対しては推奨度c1(行うことを考慮してもよい)となっています。
一方人工毛植毛は推奨度D(行うべきではない)となっています。

<自毛植毛>
・利点

ご自分の髪の毛を使用するので、拒否反応がない、もしくは極まれ
髪の毛の質感が揃い、自然な仕上がり
一度植毛した毛はほぼ一生生え続ける(FAGA進行により抜ける可能性はあり)
生着率はクリニックによっても異なるが、だいたい90%程度と高い

・欠点

FAGA進行によりドナー(後頭部の毛)に制限がある場合がある
価格が高いクリニックが多い
女性はびまん性(全体的)に薄毛が進行するため、植毛のみで満足する結果が得られない事がある

<人工毛移植>
・利点

ドナー(移植する髪の毛)に制限がなく、広範囲の植毛が可能
髪の毛の色等が選べ自由度が高い
自毛植毛と比較し、価格が安い

・欠点

異物を体内に埋め込むため長期的生着率は悪い
感染や炎症のリスク
炎症などで頭皮が硬くなってしまう場合がある
現在ガイドライン上では人工毛の植毛は勧められていないため、自毛植毛についてもう少し詳しく解説します。

自毛植毛

自毛植毛は男性ホルモンの影響を受けにくい後頭部の毛髪を、毛根をつけた皮膚と一塊にしてドナーとして採取します。そして薄毛が進行した部分に移植していく手術となります。
薄毛が進行した方でも、ほとんどの方は後頭部の毛がしっかりと残っています。これは後頭部の毛髪には男性ホルモンと結合すると抜け毛を促進する酵素(5αリダクターゼ)が少ないため、毛包の寿命が維持されやすいからです。
現段階において、毛髪が無くなってしまった部分に髪の毛を生やす唯一の方法と言えます。
ただし膠原病や自己免疫疾患を除外したり、現在の持病(例えば糖尿病など)が落ち着いているか、など術前に詳細なプランニングをする必要があります。安易に植毛を行うと、炎症の再燃や悪化を引き起こし、逆に脱毛症を招いてしまう場合があるからです。
また植毛手術は、手術を行ったら終了という訳ではありません。
植毛した毛は徐々に長くなってきますが、いったんは抜け落ちてしまいます。抜け落ちると聞くとびっくりされるかも知れませんが、毛を産生する組織はしっかりと残っていますので、手術をしてから4か月程で徐々に毛髪が生えてきます。生えた毛が更に長く丈夫になるのに、だいたい1年程度を要します。ですので植毛手術は1年後が完成形となる訳です。
もう一つ事前に知っておかないとびっくりしてしまう事があります。
それはショックロスという言葉です。
手術の影響で、手術した部位周囲のもともと生えていた毛が一時的に脱毛してしまう現象です。はっきりとした原因は分かっていませんが、手術自体による軽い炎症性変化や麻酔薬の影響などが考えられます。
通常は手術後1か月程度から始まり、やがて収まり元の状態に戻ります。(完全に戻らない場合があるとも言われています)
男性と比べて女性の方が起こる確率が高いと言われていますが、手術を受けた方すべてに起こる反応ではありません。
ご心配な場合は手術を受けたクリニックにご相談いただくことが望ましいでしょう。

<ドナーの取り方>

ドナーの取り方には2通りの方法があります。
一つ一つ毛包単位でくり抜いてくるFUE法(Follicular Unit Excision)と後頭部の一部を帯状に取って、また縫い閉じるFUT法(Follicular Unit Transplant)です。

FUEとFUTの模式図
FUEとFUTの模式図
FUE法

パンチと言われる極小さな穴を開ける特殊な機械を使い、一つ一つの毛穴を医師が目で確認し、毛包ごと採取を行います。
毛を採取した部分からは毛が生えてこず、白い瘢痕となります。ただし一つ一つの傷は極小さく、周囲の髪の毛が生えてくればほぼ見えない状態となります。(坊主にすると白い瘢痕が見えます)
一つの毛包からは毛が1~複数本と生えている本数が違うため、どの株を採取するかを移植部位に合わせて選ぶ必要があります。
植毛の出来上がりは、移植する密度・1つのグラフトに生えている髪の毛の本数・髪の毛の太さによって変わってきます。もちろん複数毛が生えているグラフトをたくさん取れればそれに越した事はないですが、もともと女性の髪の毛は男性よりも細く、3本以上の複数毛のグラフトも少ない印象です。後頭部の良い毛を取りすぎて後ろの薄さが目立つといった事も起こりえないわけではありません。
さらにFUE法では後頭部の毛を刈り上げる・刈り上げないという違いが出てきます。パンチで毛包を採取する時に、髪の毛が長いととても採取しづらいため採取部位を決定し、そこを全体的に1mm程度の長さに刈り上げます。
女性であればそのまま上の毛で刈り上げた部分を隠したり、部分ウィッグをつける方が多いです。
刈り上げを行わない場合、グラフトを採取する毛包付近のみ髪の毛をカットしパンチで毛包をくり抜きます。採取した部分の周りの髪の毛で採取部分が隠れるので、手術当日から後頭部の見た目は全く変わりません。

刈り上げを行った場合(マネキン)
刈り上げを行った場合(マネキン)
FUT法

後頭部の皮膚を帯状に切開し、また縫い閉じてグラフトを採取します。
縫い閉じた傷は横に1本となります。
皮膚の性質によってきれいな1本で治る方や、肥厚性瘢痕といって赤く盛り上がりのある傷跡になってしまう方もおられます。ただし、頭皮は通常このように傷が盛り上がりやすい場所ではないので、起こる頻度としては高くないと思われます。後日抜糸が必要となります。
採取した皮膚を顕微鏡を用いて、髪の毛の本数別に株分けしていきます。

FUEは傷が目立ちにくく、痛みも少ない採取方法です。
途中で切断せず、毛包ごときれいにくり抜くのは技術が必要で、術者によって採取率が変わる点、あまりに取りすぎてしまうと後頭部の薄さが目立つためグラフトに制限が出る場合があります。また刈り上げで行う場合は採取部位を隠す工夫が必要になります。
FUTは1本の長い傷になり、FUEと比べると痛みが強い採取方法です。
抜糸の必要性もでてきます。
ただしFUEと比べると採取できるグラフト数が多くなる点や、価格が安い傾向にあります。また後頭部の傷跡もご自分の髪の毛ですぐに隠すことが出来ます。
どちらにも一長一短あるため、移植したい範囲(必要グラフト数)・痛み・価格・術後の後頭部の状態などをよく医師と相談し、採取方法を決定してください。

植毛の流れ

採取が終了したら、今度は移植作業となります。
こちらもいくつかの方法があります。
パンチでホールと言われる小さな穴をあけてグラフトを移植する技術や、針やマイクロブレードと言われる機械を使用して毛穴を作ってからグラフトを移植する技術、choi式と言われる針にグラフトを充填し、押し出す事で穴を開けるのと同時に移植する技術など様々な方法があり、クリニックによって採用している方法が異なります。
どの方法が一番良いかという事は常に議論されている所ではありますが、採取方法と同じように、どの方法も一長一短があるため、クリニックにより移植方法が異なってきます。

以前と比べ女性の薄毛を改善すべく、様々な治療法が提案されています。
年齢や薄毛の進行様式、生活歴、治療にかける予算などによって治療法が変わってきますので、医師とよく相談して治療をすることが重要です。

プライバシーへの配慮があるクリニックを選ぶ

プライバシーに配慮されたクリニックの内装

女性にとって髪の毛とは想像以上に大切なものです。髪の毛の悩みは単なる見た目の問題だけではなく、自信や日常生活にも大きく影響します。女性にとって髪は自己表現の一部であり、その変化は精神的な不安をもたらすことがあります。
以前私が診察した患者様の中には、髪の毛がある時からどんどん抜けるようになって、遊びにも行かなくなったし仕事以外はほぼ家で過ごしているという方がいらっしゃいました。
幸いにその方は治療が奏功し、笑顔を取り戻され生活の質(QOL)も改善されました。
その方との出会いは私の中で治療における大きなターニングポイントと言えます。我々の根底には薄毛に悩む皆様の笑顔が見たいという気持ちがあります。これは同じ女性だからこそ一層強く感じる思いなのかもしれません。
女性心理にも関係する薄毛の問題ですから、治療においても個室が完備されていたり、待合も人と顔を合わせにくいように配慮をされているクリニックを選ぶべきでしょう。

カウンセリングの重要性とその内容

カウンセリングの重要性とその内容

薄毛治療は患者様から症状を詳細にお伺いするところから始まります。
どのような部分が、どのように(急性なのか・慢性的なのか)、何か思い当たる原因があるかという薄毛自体に関する質問事項から、ご家族で薄毛の方がいるか、食生活や生活様式、現在のヘアケアなどが薄毛治療には重要なファクターとなります。
女性であれば、月経についてお聞きすることで得られる情報もあります。
また、視診から得られる情報もとても多いです。
ですので医師によるマイクロスコープを使った頭皮診断があり、治療効果判定のための写真撮影が行われるクリニックを選ぶべきです。
そのカウンセリングがオープンクエッションになっているかも重要な点です。通常カウンセリングではこちらからお聞きし、はい/いいえのクローズドクエッションになりがちです。情報を得るだけであれば、クローズドクエッションで良いのですが、患者様のご不安を表出していただく場を作るにはクローズドクエッションだけでは不十分です。

薄毛治療はすぐに効果が出るものではなく、時間がかかります。
ですので治療に対して不安を抱えたまま継続することは困難となります。FAGAの原因と仕組み、治療の効果と副作用、どれくらいで効果がでるか、費用や治療継続の目安等をお伝えし、「わからないことをゼロにして治療に臨む」体制を作る事が重要です。

また同性である女性医師がいるクリニックであれば、女性に対する配慮・薄毛の悩みへの共感がさらに得られやすく、相談もしやすいと思います。

薬物治療のみならず、再生医療や植毛といった様々な治療法が提案できるクリニックであれば薬の「次の手」をご提案ができます。

当院は女性医師が在籍し、内服・外用薬から再生医療、植毛まで、患者様おひとりおひとりに合う治療をご提案いたします。

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女性の薄毛治療にかかる費用の目安

女性の薄毛治療にかかる費用の目安

治療法別の費用相場

治療は単剤で行われるより、内服と外用薬を組み合わせて行われる事が多いです。また自由診療となりますので、クリニックにより価格の幅があります。以下は費用の相場一覧となります。

・ミノキシジル外用薬5,000〜18,000円程度

処方濃度によって価格が変動します。

・ミノキシジル内服薬6,000〜12,000円程度

本来の高血圧症の薬としても、国内未承認のものとなります。
また現段階では薄毛治療のガイドライン上推奨度D(推奨しない)です。

・スピロノラクトン内服薬 5,000〜13,000円程度
・パントガール 9,000〜13,000円程度
・メソセラピー 20,000~130,000円/回 程度

1クール(6~16回程度)で効果が期待できる場合が多いですが、個人差があります。施術頻度は2~4週間に1回程度です。1クールで設定している回数・使用薬剤・注入方法がクリニックによって異なるため治療に幅が出てきます。

・植毛手術

植毛にはFUE法(Follicular Unit Excision)とFUT法(Follicular Unit Transplant)があります。FUT法では後頭部の皮膚を帯状に取り出して、また縫い閉じるため価格は1種類のみかと思いますが、FUE法では術後の後頭部の髪型によって値段が異なります。採取部位を刈り上げる方法と、刈り上げを行わず今の髪型を維持したままグラフトを採取する方法です。
クリニックやグラフトを採取する後頭部の髪の毛の処置によって価格が変動します。
刈り上げを行う方法の相場は720円~1000円/1グラフト
刈り上げを行わない方法の相場は900円後半~2000円/1グラフト

となっています。植毛は移植範囲によっても価格が変わってくるため、事前のカウンセリングでしっかりと必要費用やデザインの相談をすることが重要です。また女性の場合はびまん性(全体的)に薄毛が進行することも多く、植毛が適当か否かしっかりと相談をしてください。

保険適用の可能性とその条件

AGAの治療は基本的には自由診療に当たるので、公的な健康保険の適応はされません。また医療費控除についてもその費用を医療費控除として計上することは原則としてできません。
これは国税庁が医療費控除の対象となる医療費を「治療」を目的としたものに限っており、FAGA治療の多くが「容姿の美化」を目的とした自由診療とみなされるためです。

いわゆる人間ドックその他の健康診断のための費用及び容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用は、医療費に該当しないことに留意する。

法第73条《医療費控除》関係

ただし、以下に挙げる脱毛症や病気の治療による脱毛症に関して、医学的な治療が必要と判断される場合は医療費控除の対象となる可能性があります。
医療費控除の可否は個別の状況によって判断されるため、判断に迷う場合には、税務署や税理士に相談することをおすすめします。

・円形脱毛症:

円形脱毛症は自己免疫疾患の一つです。
一部の治療は保険適応外となりますが、ステロイド外用・内服・局注等は保険診療で受けられる治療となります。

・抜毛症:

抜毛症は精神科・心療内科において認知行動療法が必要になる疾患です。

・脂漏性脱毛症:

脂漏性皮膚炎による脱毛症です。抗真菌薬やステロイドでの治療が必要となり、こちらは保険診療となります。

ご自分の薄毛が保険適応の疾患なのか、保険適応外の治療が奏功するのかを確認するためにもクリニックで実際に頭皮の状態をマイクロスコープを用いて確認する必要があります。

女性の薄毛治療に関するよくある質問

治療の効果が出るまでの期間は?

薄毛治療から脱落してしまう患者様の多くは、治療にどのくらいの期間が必要なのか知らず、効果が出ないと辞めてしまう方が多いようです。

治療は毛周期を正常に整える事が基本です。健康な髪の毛として存在する成長期の前期間である休止期は3~4か月程あります。ですので、毛周期が回り次の成長期になる3~4か月ごろから治療効果が出てきます。

FAGA ヘアサイクル

毛周期

また治療を開始すると、今までFAGAに罹患し、休止期にあった細く短い毛が次の成長期に移行するために抜けていく初期脱毛が起こる可能性があります。
患者様によっては全く分からないまま元気な髪の毛が生えてきた、というお声を頂く一方で、治療を始めたら逆に抜け毛が増えて不安です、というお声を頂く事もあります。
初期脱毛は治療が効いている証拠ですので、ここで治療を中止しないことが肝心です。ご不安な場合は薬を処方されたクリニックに問い合わせてみて下さい。

副作用について知っておくべきこと

現在FAGA治療で用いられる薬物の副作用はまれなものが多いです。
以下に薬別に起こりうる副作用について記載していきます。

<ミノキシジル外用薬>

皮膚:頭皮の発疹・発赤,かゆみ,かぶれ,ふけ,使用部位の熱感等
精神神経系:頭痛,気が遠くなる,めまい
循環器:胸の痛み,心拍が速くなる
代謝系:原因のわからない急激な体重増加,手足のむくみ
ある文献では102人中、アレルギー性接触皮膚炎が2人、そう痒症が4例と記載がありました。皮膚の副作用に関しては5%程度の出現率、その他循環器や代謝系の副作用に関しては1%未満程度でしょう。

<スピロノラクトン>

食欲不振、悪心・嘔吐、 口渇、下痢、便秘 などが0.1%から5%未満の頻度で起こります。またまれではありますが、重篤な副作用として電解質異常が起こる可能性がありますので定期的な採血が必要となります。

<パントガール>

パントガールはその含有成分がサプリメント的な側面が強く安全性の高い薬となります。以下がパントガールで認められる副作用となります。
腹痛、下痢、頭痛、めまい、動悸、胸やけなどです。
頻度は不明ですが、含有成分から考えると頻度としてはまれと言えるでしょう。

治療を途中で辞めた場合の影響

FAGAには様々な原因があり、産後脱毛症や脂漏性脱毛症のような休止期脱毛症の場合は自然に治癒するものもありますが、一般的には進行性の疾患となります。
ですので治療を途中で辞めてしまうとゆるやかに元の状態に戻るか、以前より悪くなる場合があります。
治療のエンドポイントをどこに設定するかが重要です。
少なくとも、薬の効果がしっかりと実感できる1年間は治療をしっかりと継続するべきです。その後、治療の効果に満足している場合は維持療法として内服薬の量を漸減させたり、医師と相談しながら治療を進めてください。
また1年後に薬物治療の効果に満足できない場合は、再生医療や植毛を検討しても良いでしょう。

女性の薄毛治療(FAGA)の最新トレンド

オンライン診療の普及とその利点

現在ではFAGA治療でもオンライン診療が普及してきました。
元々はコロナにより急速に導入が始まったオンライン診療ですが、厚労省が「オンライン診療の適切な実施に関する指針(2022年1月改定)」を定めた頃より初診から恒久的にオンライン診療が可能となりました。

忙しくクリニックに行く時間がない、人と会わずにFAGA治療をしたいという方には良い診療形態といえます。また医師と対面して話さないため、対面治療のクリニックと比べると治療費が安くなる場合があります。

利便性が高く費用も抑えられるため利点もあるオンライン診療ですが、限界もあります。対面式のクリニックと比べると圧倒的に得られる患者様の情報が少ないのです。

FAGA治療における診療形式の比較

✔️診断の正確性
◎対面診察
△オンライン診察

対面診察は 頭皮の状態(発赤・びまん性脱毛・皮脂・硬毛化など)や毛髪の質などを直接確認できるため精度が高い。マイクロスコープを使用した医師による診察であればなお精度が高く、他覚的に現状を確認できる。オンライン診察では患者様ご自身による写真撮影や動画となり、カメラ越しの確認には限界あり。

✔️記録管理
◎対面診察
△オンライン診療

対面診察は同じ環境・アングルで定期記録でき、比較精度が高い
オンライン診療はスマホ撮影に頼るため、定点管理が難しく、経過観察が曖昧になりやすい

✔️カウンセリングの深度
◎対面診察
△オンライン診療

対面診察では表情・頭皮・生活習慣全体を見ながら、深い対話と心理面のケアが可能

オンライン診察では患者様が自宅であったりリラックスしやすく話しやすい環境にあるが、関係構築は限定的になりがち

✔️利便性・時間効率・費用面
△対面診察
◎オンライン診療

対面診察に比べ、オンラインでは 通院不要・スマホで全国どこからでも受診可能。医師と対面しないため、費用が抑えられる場合あり。(実際に比べてみると対面診察とさほど変わらないクリニックもあり)お近くにクリニックが無い方や、育児や多忙な方に良いことも。

✔️検査・処置
◎対面診察
×オンライン診察

対面診察では血液検査、血圧測定、マイクロスコープ検査が可能
オンラインでは検査不可

✔️治療継続への働きかけ
◎対面診察
○オンライン診察

対面診察では通院の習慣化と医療者との会話や頭皮の状態確認が治療モチベーションを高める効果あり
オンライン診療では忙しい患者でも中断せず治療を続けやすい柔軟性があり、一人でも治療を継続できる意志がある方には良い

✔️プライバシーと安心感
◎対面診療
△オンライン診療

対面診察では医療施設でのセキュリティと守秘義務が確保されている
オンライン診療では通信環境によっては情報漏洩リスクや音声不良などのトラブルあり

■ 総合評価
・診断の精度
対面診療★★★★★ オンライン診療★★☆☆☆
・写真/経過管理
対面診察★★★★★ オンライン診療★★☆☆☆
・カウンセリングの質
対面診察★★★★★  オンライン診療★★★☆☆
・利便性・継続しやすさ
対面診察★★☆☆☆ オンライン診療★★★★★
トータル推奨度(FAGA治療において)
対面診察★★★★★ オンライ診療★★★☆☆
新しい治療法や薬の登場

FAGA治療の基本は薬物治療となりますが、近年再生医療の薄毛に対する効果が期待されるようになりました。
再生医療にも、使用する成分を取り出す方法によっていくつかの方法がある事は上記でお伝えしました。
当院では微細組織懸濁液(micronized tissue suspension)を使用した再生医療を取り入れております。
こちらはご自身の細胞を少量採取し、特殊な機械を用いて細胞を50μm前後に粉砕し組織の中に含まれる成長因子を始めとするサイトカインを注入するというものです。頭皮の組織を使用するため、毛根の毛乳頭・二次胚芽・バルジエリア由来幹細胞という発毛に直接かかわる組織が含まれるというのが大きな特徴となります。ご自身の組織を使うため感染症のリスクがありません。
以下に微細組織懸濁液を用いた薄毛治療に対する論文の要約を記載します。

・第1の研究では微細組織懸濁液治療を1回受けた17患者(男性10例、女性7例)と第2の研究では2回受けた13患者(男性9例、女性4例)について対象としている。2回目は初回から6か月後に実施している。
AGAの診断(女性:ルートヴィヒIおよびII、男性:ハミルトンI~IIIa)を受けている患者に施行。円形脱毛症、瘢痕性脱毛症、休止期脱毛症、炎症性頭皮疾患は除外、また局所または全身投与の投薬(ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリド、スピロノラクトン、フルタミド、酢酸シプロテロン)の使用者、研究参加の6か月以内にPRP療法を施行した被験者を除外した。
評価はトリコスコピック(画像)評価および患者の主観的評価とした。
1研究では、ほとんどの参加者で臨床的な改善が観察された。皮膚科医による全体的な写真の評価では、65%(11/17)の患者で改善が認められた。

Role of Autologous Micrografting Technology through Rigenera® System in the Treatment of Androgenetic Alopecia

・本研究はルードヴィッヒ分類1-3と診断された23人の女性患者に施行。
経口治療(フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル、抗アンドロゲン剤)または外用治療(ミノキシジル、プロスタグランジンアナログ、コルチコステロイド)を受けた患者は除外。さらに低出力レーザー療法や血小板豊富プラズマ、マイクロニードリングなどの医療機器の使用または手技を受けた患者も研究対象から除外した。
治療後、Ludwigスケールで平均1度の改善が認められた。Ludwigスケールスコアと平均VASスコアは、治療後に有意な差を示した。
より一般的な治療法と比較したデータは不足しており、この方法はまだ標準化されていません。それでも単独の治療法としてだけでなく、古典的な治療法と組み合わせた場合にも、AGA治療としてさらに探索する価値のある有望な選択肢であると考えられる。

Short-Term Clinical Assessment of Treating Female Androgenetic Alopecia with Autologous Stem Cells Derived from Human Hair Follicles

・23歳から64歳までのAGAと慢性的な脱毛症と診断された男性と女性25名を対象に、AGAの脱毛段階2から4までの治療を目的とした臨床研究を実施。
毛髪数(+41.56毛/cm²)、毛髪密度(+27.09毛/cm²)、成長期(+5.89%)、休止期(+6.55%)を含むすべての毛髪パラメーターで有意な増加が認められた。細毛密度(5.43本/cm²)、終毛密度(19.16本/cm²)、細毛比率(3.29%)、終毛比率(4.29%)など、すべての毛髪パラメーターで有意な増加が認められた

clinical trial efficacy of autologous cellular micrografts in androgenic alopecia

論文ベースでも微細組織懸濁液を用いた再生医療の有用性は証明されています。ただし、まだ大規模臨床試験は行われておらず、分母数が少ないため今後の症例報告の追加が待たれます。
またヘアサイクルを終えてしまった完全に無毛となった場所には効果が薄いと思われますので、医師の診察の上治療を行う事をお勧めします。

当院では微細組織懸濁液を用いた再生医療をお受けいただけます。
男性と比較し、エビデンスの高い治療法が少ない女性患者様の次なる治療選択肢としてご提供しております。

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女性に対するフィナステリドの内服可能性について

日本の薄毛治療のガイドラインではFAGAにおけるフィナステリドの推奨度はD(行うべきではない)となっています。
これは女性が妊娠していた場合や授乳中の場合、胎児が男児であればその生殖器に影響を与えてしまう可能性があるからです。
またフィナステリド (1 mg/日)を用いて、137 名の女性被験者を対象とし た観察期間 1 年のランダム化比較試験においてプラセボ群とフィナステリド内服群で優位な差が出なかったとの報告があるため現段階では推奨度がDとなっています。
しかし海外の論文では、中等量フィナステリド(1日2.5mg)を内服した正常アンドロゲン分泌の閉経後女性において、内服の有用性が示されたものも存在します。女性が内服する場合、低用量(1日1.25㎎)では効果が認められなかったとの報告があります。
閉経後、FAGAに悩む女性かつミノキシジル等の治療法が奏功しなかった場合に限ってはフィナステリドの内服に効果がある可能性があります。
更に容量についても男性より高容量が必要になる可能性があります。
日本のガイドラインで認められていない点から現段階では内服のおすすめは出来ませんが、今後の研究によりガイドラインが変わる可能性にも注視していきたい所です。

女性の薄毛治療を始める前に知っておくべきこと

自分に合った治療法を見つけるためのポイント

自分に合った治療法を見つけるためのポイント

1. 脱毛の原因をしっかり診断する

FAGAは加齢やホルモンバランスの変化に加え、ストレス・食生活・生活様式や他の疾患によって引き起こされている場合など原因が多岐に渡ります。
まずは医師による丁寧な問診・診察(マイクロスコープ診断)・血液検査を受けることが大切です。

2. ライフスタイルに合わせた治療法を選択

FAGAの治療には、外用薬(ミノキシジルなど)、内服薬(スピロノラクトン)、サプリメント(パントガール)などさまざまな方法があります。治療は毎日の積み重ねですので、自分のペースで続けられる治療を選ぶことが成功のカギです。

3. 副作用や安全性も考慮する

治療薬によってはまれではありますが、副作用があります。リスクと効果を正しく説明するクリニックを選び、またご自分でも理解し、自分が納得できる範囲で治療を選びましょう。

4. 治療の継続が前提と心得る

FAGA治療は毛周期を整えていくため、すぐに改善するものではなく、少なくとも3〜6か月の継続が必要です。治療を途中でやめてしまうと、脱毛が再発する可能性もあります。経過を記録しながら、自分に合ったペースで取り組みましょう。

5. 信頼できる医師・クリニックを選ぶ

FAGAの原因は患者様お一人お一人で異なります。
画一的な治療ではなく、自分に合ったカスタム治療を提案してくれる医師・クリニックを選ぶことが重要です。オンライン診療の利点はあるものの、対面式のクリニックの方がよりカスタマイズした治療を受けられるでしょう。口コミだけでなく、初回相談での対応や説明の丁寧さも判断材料にしましょう。

生活習慣の改善が薄毛治療に与える影響

生活習慣の改善が薄毛治療に与える影響

治療は薬物に限ったものではありません。
ご自身の毎日の生活習慣を少し変えるだけでも、薄毛にとっては良いこともあります。

  • ストレスを減らす
  • 過度なダイエットをやめる
  • 十分な睡眠をとる
  • 血行不良を改善する

などが生活習慣で変えられる薄毛に良いことです。

<ストレスを減らす>

精神的・身体的なストレスが長期間にかかると、ストレスに対抗するために過剰に抗ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールやアドレナリン・ノルアドレナリンが分泌されます。これらは毛根を収縮させたり、血管収縮により血流が低下したりすることで、髪の成長を乱し、抜け毛の原因となります。
また免疫機能の低下が起こり頭皮環境の悪化により薄毛となります。

<過度なダイエットをやめる>

健康な毛髪を作るには良質なタンパク質やアミノ酸、ビタミンB群・A群・E群が必要となります。薄毛に関係する栄養素として、そのほかにも鉄・亜鉛・ナイアシン・脂肪酸などがあげられます。
ダイエットにより必要な栄養素まで欠乏してしまう事で薄毛になってしまいます。サプリメントでも栄養素は摂取出来ますが、逆に過剰摂取になる場合もあるため注意が必要です。
ビタミンA群やE群などを過剰に摂取した場合は健康被害につながる可能性があります。なるべく食事からの摂取が望ましいでしょう。
現在論文ベースで配合成分が毛髪によいとされ、クリニックで処方されるものとしてはパントガールなどが挙げられます。

<十分な睡眠を取る>

成長ホルモンは毛母細胞の活動を促進し、髪の成長に必要な栄養や酸素を作ることに関与します。
成長ホルモンはノンレム睡眠時に活発に分泌されます。
睡眠は覚醒・ノンレム睡眠・レム睡眠を1サイクルとしてだいたい1晩に3~5回のサイクルを繰り返します。
睡眠時間が短いと、結果としてノンレム睡眠が少なくなり成長ホルモンの分泌が少なくなり薄毛に繋がります。
また良質な睡眠をとることで副交感神経が優位となり、血管が拡張し頭皮の毛細血管まで血がいきわたります。

<血行不良を改善>

東洋医学では髪の毛のことを”血余”と言います。
“血(けつ)”は生命活動を維持するのに重要な栄養の意味です。
体の重要臓器に”血”が行きわたり、その余りが髪の毛になるという考え方です。
余り物の毛が健康だということは体が健康だということの現れということです。つまり全身の血行が不良になると、最重要臓器にまずは優先的に血液が送られ、血余である毛髪は後回しになります。そうすると当然栄養が行きわたらず薄毛が加速してしまうという訳です。

血行不良を加速させる因子としては、

  • 喫煙
    ニコチンが交感神経を刺激し、末梢血管が収縮する
  • 運動不足
    筋肉のポンプ機能が使われず、血液循環が悪化し結果として頭皮の血流が減少する
  • ストレス
    自律神経の乱れにより交感神経が刺激され、末梢血管が収縮する
  • 冷え性
    手足が冷たくなるのは末梢血管が収縮しているからです。冷え性は血行不良の結果ですが、冷え性という事は頭皮も血流も低下していると言えます
  • 食生活の偏り
    鉄分、ビタミンB群、ビタミンE、オメガ3脂肪酸などが不足すると、血液循環が低下
  • 過度なアルコール摂取
    アルコールを摂取すると血管が一時的に拡張し、その後収縮し血流低下につながる
  • 頭皮のコリ・筋緊張
  • 高血圧/動脈硬化
    高血圧や動脈硬化になると血管の弾力性が失われ血流調節機能がうまく働かず血流が低下する

まとめ:女性の薄毛治療の重要性

薄毛治療は早期対応がカギ

薄毛治療の基本は毛周期を整え、健康な毛髪となる成長期を正しい期間保つ事です。薄毛治療は気になったその時がはじめ時です!
理由は4つあります。

  • 毛周期を40回終えた毛穴からは毛が二度と生えてこないから
  • FAGAは進行性の疾患だから
  • 治療効果が出やすい段階で介入できるから
  • 精神的ダメージ・自信喪失の予防になるから

毛周期を40回終えた毛穴からは毛が二度と生えてこないから

毛髪は毛包という髪の毛を作る工場のような場所から生えてきます。
毛周期が回り続けると、この毛包は徐々に小さく、硬くなり最終的には消滅してしまいます。完全に毛包が失われた部位からは毛が二度と生えてこなくなります。
今ある毛包を守るためには、早く正常な毛周期に戻してサイクルを早く回さない(毛包の消費を早めない)事が大切です。

FAGAは進行性の疾患だから

出産後脱毛や脂漏性脱毛症のような休止期脱毛症は自然と治癒することが多いですが、それ以外の脱毛症は進行性ですので、放っておくと確実に進行します。
自然に回復することはなく、放置すればするほど本数も密度も減っていきます。少し薄毛や抜け毛が気になるかも?でもまだ治療は必要なさそう?という段階から治療を始めて頂く事で、これ以上の進行を抑え改善~現状維持という治療効果を得る事ができます。

治療効果が出やすい段階で介入できるから

現段階のFAGA治療では完全に毛包が消滅してしまった頭皮に対して、毛髪を生やすという治療は植毛以外にはないと言えます。
また再生医療に関しても、完全に毛包が消滅してしまった頭皮に関しては治療効果が薄いと思われます。
初期段階であれば毛包のダメージが少なく、薬物治療への反応性も良いです。まだ密度はしっかりあるけど、髪の毛が細くなってきた状態であれば、治療で太い毛(成長期)へと導き、良好な治療効果が期待出来るでしょう。

精神的ダメージ・自信喪失の予防になるから

女性にとって毛髪とは想像以上に大切なものです。
普段は気にかけていなかったのに、無くなってしまうと、とても大切なものであったと気が付く事があります。毛髪はそのような存在ではないでしょうか。毛髪の悩みは単に見た目の変化だけではなく、自己肯定感にも大きな影響を与えると思っています。
FAGAの初期段階では、自身は薄毛に気が付くものの他者からは気づかれない事が多いです。この「見た目が変わらない段階」で治療を開始することで、心のダメージも防げると思います。そして薄毛が改善することによってQOL(Quality Of Life)も向上することでしょう。

自分に合ったクリニックを見つけるために

薄毛治療はすぐに結果が出るものではありません。
継続して治療をしていただくためにもご自身にあったクリニックを選ぶ事が重要です。以下の事を意識してクリニックを選んでみてはいかがでしょうか。

① 治療メニューの多様性

FAGA治療の基本はミノキシジル・スピロノラクトン・パントガール等の薬物治療となります。薬物治療が効果不十分な場合や更に治療効果を高めたい場合、「次の手」が通われるクリニックにあれば、今までの治療歴(マイクロスコープや頭部写真)をそのまま活用し次の治療に臨む事が出来ます。
現在ではLEDや再生医療などの新たな治療法も毛髪治療には有効な事がわかってきていますので、複数の選択肢からご自分に合わせた治療を選べるクリニックがおすすめです。

② カウンセリングの丁寧さ

医師やスタッフが患者の悩みにしっかり向き合い、副作用や治療の流れについて丁寧に説明しているかが重要です。
カウンセリングを丁寧に行い、頭皮の状態、生活様式、病歴等をお聞きすることによって治療方針が変わります。場合によっては治療をしなくても自然に治癒する薄毛もあり、それはやはり詳細に患者様の情報をお聞きしなければ鑑別できません。
薄毛治療で使用する薬剤の副作用はまれですが、薬を内服する以上副作用のリスクがゼロとは言えません。
処方する我々にもしっかりと副作用をご説明する義務があると思いますし、患者様が治療に対し、しっかりと知識を持たれ、納得して治療を行う事が大切だと思います。
また薄毛は身体的な問題のみならず、精神的に落ち込む患者様もおられます。丁寧なカウンセリングで薄毛の症状についてはもちろん、ご自身がお持ちの不安などを表出していただけるカウンセリングか否かが重要です。

③ 女性が通いやすい配慮

完全予約制・個室対応など心理的に安心できる工夫があるかを確認しましょう。また女性スタッフや女性医師がいれば、同性としてより相談しやすい環境と言えるでしょう。

④ 通いやすさ・継続しやすさ

駅近・駐車場の有無・土日診療など生活にあった通院のしやすさも重要です。カウンセリングの質は落ちますが、オンライン診療対応なども場合によっては有効な場合があります。

⑤ 料金体系の明瞭さ

実際に行ってみたら、広告に明示してある治療費と違うクリニックがあったというお声を聞く事があります。治療費、薬代、カウンセリング料などが事前にしっかり説明され、明朗会計であるかを確認しましょう。

⑥ 医師が治療に関与しているか

FAGA治療は薬物を処方する医療行為です。
医師が直接診察し、必要に応じて検査や処方を判断しているかを見ることが大切です。
オンライン診療では事前に自己申告とカウンセラーによって患者様の情報を聞き取りしますが、医師と実際に会話するのは1-2分の事が多いです。この時間で患者様が納得して治療に臨めるのかと少々疑問が残ります。

⑦ 検査体制が整っているか(血液・ホルモン検査など)

治療特に内服治療を行う際には、治療前の血液データとの比較が重要となります。ですので治療前と治療後で血液検査を行えるクリニックを選ぶ事が重要です。

⑧副作用発生時の対応ができるか

FAGA治療で使用する薬物での副作用の発生はまれでありますが、薬である以上副作用が出るリスクは常にあります。
副作用のような症状が出た時に、それが本当に薬と因果関係があるのか・薬を中止すべきか、など判断がご自分で出来ない場合に相談出来る体制が整っているクリニックを選ぶべきでしょう。

⑨ 勧誘・押し売りがないか

FAGA治療は自由診療です。自由診療ということは患者様の意思を尊重し、患者様の決定で治療が行われるべきです。通常は無理に治療をすすめたり、気が付いたら数回の治療を要する高いプランを契約させられた、という事は起こりえないはずです。相談しやすい雰囲気か、また患者様にご納得して治療を進めて頂くためにカウンセリングが無料であるかもクリニックを選ぶポイントになるかと思います。

⑩ 人柄や対応の安心感

どんなに治療内容が優れていても、信頼関係がなければ続きません。またクリニックの雰囲気がご自分に合わない場合はやはり継続が困難となるでしょう。医師やスタッフの話し方・対応が丁寧で親身かも大切な判断材料です。

女性の薄毛に悩まれる患者様は増加傾向にあります。
それに呼応し、女性の薄毛治療を行うクリニックも増えてきています。
ご自身のライフスタイルや重要視する点をこの記事で整理していただき、クリニック選びのお手伝いが出来れば幸いです。

当院は薄毛治療に特化したクリニックとなっており、内服から外用、LED治療・再生医療・植毛まで患者様お一人お一人に合わせた治療をご提案すべく、豊富な治療法をご用意しております。
薄毛の知識をしっかりと知っていただきたい、またご不安を教えていただきたいという思いから、カウンセリングを無料としております。
お一人で抱え込まず、まずはご相談のみでもご来院いただけますと幸いです。

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